霧中暗中ブログ

夢も希望もない三十代の日記です

プルタブの話

 小話。

 今から14年前、大学時代の話。私の通っていた大学にはコンビニがあった。お昼時ともなるとランチを求めたたくさんの学生でごった返した。私も例にもれずそのコンビニをよく利用した。

 ある日、私はそのコンビニの前にプルタブが一つ落ちていることに気付いた。そのプルタブは人に踏まれてコンクリートの地面にめり込んでいた。1990年代初めまではジュースの缶にはプルタブだった。現在使われている缶のフタはステイオンタブと言うらしく、私が幼いころに缶のフタはプルタブからステイオンタブに切り替わった。今から30年近く前の事である。

 不思議だった。なぜ遠い昔に使われなくなったプルタブが、こんな人通りの激しいところに平然と落ちているのか。誰もなんとも思わないのだろうか。私からしたら違和感しか感じないのだが。いつからここに落ちているのだろうか。その昔、当時の大学生が捨てたプルタブが今もこうして誰にも触れられず落ちているとでもいうのだろうか。

 私が在学中、そのプルタブはそこにずっと落ちていた。誰も拾わない。なぜ。結局、その疑問が解明されることはなかった。その時代錯誤のプルタブは、ひょっとしたら今現在もまだそこに落ちているかもしれない。