俺は足踏み

もう少し頑張りたい三十代の日記です

ポケモンの思い出

 子どもの頃、なぜか私は流行に疎かった。小学3年生くらいの頃だろうか、周りの友達の間でどうやらポケモンというゲームが流行っているらしいと知った。みんなからはだいぶ遅れて自分もポケモンをやりたいと思った。

 母親にお願いして、ポケットモンスター赤を買ってもらった。新しいゲームを買ってもらってうきうきしていた。その頃はまだ自分があそこまでポケモンにハマることになるとは思っていなかった。小学生の時に一番ハマったものを聞かれたら間違いなくポケモンと答えるだろう。

 しかしポケモンをはじめたての頃はだいぶ苦戦した。マサラタウンからスタートしてタケシと呼ばれるジムリーダーを倒して、長いトンネルを抜けると次のジムリーダー、カスミと対戦することになるのだが、どう頑張ってもその辺までしか行くことができない。だいたいそこまで行くのに4時間かかる。それが限界だった。

 というのも、当時の私はポケモンにレポートという機能がついているのを知らなかったのだ。レポートを使えばゲーム機の電源を切ったとしても前回プレイした続きから始めることができる。このレポートがわからなかった私は何回も何回もマサラタウンから仕切り直しをさせられていた。

 4時間もゲームに噛り付いていると母親にそろそろやめなさいと言われる。しかしここでやめたらそれまで育てたポケモンも獲得したバッジも全て水の泡になる。なにせ電源を切ったら最初からやり直しなのだから。このゲームはなかなか難しいなと当時本気でそんなことを思っていた。

 レポートという機能を発見した時の驚きはいかほどだったか。あのままだったらさすがに挫折していただろうが、ポケモンの本当の楽しみ方を知ったのである。そこから全クリするまではそう時間もかからなかった。

 アニメにものめり込んだ。生まれて初めて買ってもらったCDは「めざせポケモンマスター」だった。ポケモンの関連商品もたくさん買った。あの頃はポケモンが私の生きがいだった。まるで実生活のなかに本当にポケモンが存在しているんじゃないか。それくらい頭の中がポケモンで満たされていた。それほど子ども時代が楽しかったという思いが強いわけではないが、ポケモンは楽しかった。

 今から考えると、ポケモンに熱を上げた期間はほんの一時だったと思う。でもポケモンに目を輝かせていたあの時代を忘れることはない。またあの頃に戻ってポケモンたちに囲まれて生活がしたい。